東京で暮らす日本人男性です。お付き合いしているタイ人女性がいます。彼女は3ヵ月前に離婚したばかりだそうです。ご主人は日本人男性でした。僕は彼女と結婚を考えていますが、どのような手続きをすればいいでしょうか。気をつけることがあれば教えてください。よろしくお願いします。
御質問内容を拝見させていただきました。
タイ人の彼女との結婚を考えているとのことで、お二人が幸せになれますようご祈念申し上げます。
さて、結婚にあたっての各種手続の注意点についてですが、先ず初めに注意しなければならないことは、やはり彼女が現在有している在留資格のことです。そして、次に注意すべきは,彼女が再婚であり前婚の解消後3ヶ月しか経過していないことです。ここでは以上の点について御説明いたします。
おそらく彼女は日本に居住しており、「日本人の配偶者等」の在留資格によって日本に滞在しているのではないかと思われます。この場合ですと、残りの在留期間に注意してください。「日本人の配偶者等」の在留資格は、原則として日本人の配偶者(夫又は妻)と離婚した場合には日本に滞在できる根拠を失ってしまいます。即ち、タイへ帰国しなければなりません。しかし、離婚した後でも現在の「日本人の配偶者等」の在留資格の在留期間が満了する前に再婚することができれば、タイへ帰国せずにそのまま日本に滞在することのできる可能性が高くなります。よって、在留期間の満了日を確認し、これに合わせて各種手続きをとる方法を推奨いたします。
続いて、再婚についてですが、再婚の場合は再婚禁止期間に注意する必要があります。日本国の法律では、離婚後180日間は再婚することができません。他方でタイ国の法律では離婚後310日間は再婚することができません。しかしながら、タイ国の再婚禁止期間は、医師による妊娠していないことの証明書(診断書)があれば例外的に除外されますので、実際のところ御客様と彼女の場合には日本国の法律が実質的成立要件とされるところ、180日間の再婚禁止期間に注意すれば問題ありません。
最後に、結婚手続についてですが、御客様の場合には180日間の再婚禁止期間が経過した後、先に日本国の法律で婚姻し、次いでタイ国の法律で婚姻するという方法が無難であると考えます。もし、彼女が「日本人の配偶者等」の在留資格によって日本に滞在しているのであれば、現在の在留期間が満了する日までに、日本とタイの法律で婚姻を済ませ、在留期間更新許可申請・配偶者の届出を行う必要があります。
段取り良く各種手続きを実施しなければ、彼女がタイへの帰国を余儀なくされる事態が生じることも有り得ますので、日本国とタイ国の結婚手続・ビザ申請手続に熟知した専門家へ相談の上で手続を実施するようにしてください。