日本人男性との離婚を考えているタイ人女性です。結婚して3年、子どもはいません。もし私が主人と離婚したらタイへ帰国しないといけないのでしょうか。離婚しても「定住者」への資格変更ができると聞いたことがあります。私が離婚をした後も、日本で暮らせる方法を教えてください。
現在、御主人様との離婚を考えているとのことですが、離婚時には当事者間で様々な問題が発生することが予見されます。外国人と日本人との離婚の場合は、やはりビザの問題が一番ネックになるのではないかと思います。
お客様は「日本人の配偶者等」という在留資格で日本に滞在していると思われますが、当該在留資格は日本人の夫又は妻という身分に付与されるものであることから、もし離婚してしまうと当該身分を失ってしまうため日本に在留することができなくなってしまいます。よって、原則として、離婚した後はタイへ帰国しなければなりません。
しかし、日本人の夫又は妻と離婚した後も引き続き日本に在留することを希望する者が次の要件を満たしていると「定住者」の在留資格を付与される可能性が出てきます。
①独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有している。
②日本人(永住者・特別永住者も含む)との間に生まれた子を日本国内において養育している等、在留を認めるべき特別な事情を有している。
具体的には、「定職に就いている外国人の方が、日本人の夫又は妻と離婚し、2人の間に生まれた子供を外国人の方が日本で養育していく」というようなケースです。
お客様の場合、お子さんがいらっしゃらないということで②の要件を欠いており、定住者への変更ができないように思えます。しかしながら、お子さんがいなくても、実体のある婚姻生活が3年程度以上継続していた事実がある場合には、定住者への変更が認められるケースがあります(但し、この場合でも①の要件を満たす必要があります。)。お客様は結婚生活が3年あるということですので、在留資格「定住者」への変更も検討することができます。
離婚後の手続は、入国管理局に対し、在留資格変更許可申請を行うという流れになります。なお、当該申請時には、離婚に至るまでの経緯を説明する必要があり、身元保証人も必要とされます。
離婚後の在留資格「定住者」への変更手続は、離婚に至った経緯・事情等も考慮され、個別に判断されることから、必ずしも容易ではありません。従って、まずは離婚手続に踏み切る前に行政書士等の専門家への相談を推奨いたします。