サワディーカップ!
前回は親が日本人の配偶者や永住者、永住者の配偶者、定住者である場合の子どもの呼び寄せについて説明しました。その場合の子どものビザの種類は<定住者>となり、条件が未成年で未婚であり、親の扶養を受ける必要があることを言いました。ポイントは日本の法改正により成年が20歳以上から18歳以上に変わったことで、<定住者ビザ>で子どもを呼び寄せる場合、これまでと異なり、18歳未満でないとビザが交付されないことを話しました。今回は定住者ビザではなく、就労ビザを持っている親の子ども達が申請できるビザ<家族滞在ビザ>に関することについて取り上げたいと思います。
定住者ビザと家族滞在ビザの大きな違いは、定住者ビザは子どもに扶養の必要がなくなって独立しても定住者ビザを維持できること、そして日本人と同じように自由に働くことができることです。また、子どもとして定住者ビザをもらった人も独立した後に外国人と結婚すれば、その外国人配偶者も定住者ビザがもらえることです。しかし、家族滞在ビザを持つ子どもは家族滞在ビザを維持したいのであれば、ずっと親の扶養に入っていなければならず、独立できません。また、資格外活動許可により1週28時間しか仕事ができません。また、外国人と結婚をしても、その外国人配偶者には原則としてビザが与えられません。
日本で暮らす外国人が社会の中でのびのびと活躍できるかどうかは大切な問題です。特に自らの意思でなく日本で生活することとなった子ども達にとっては切実な問題です。更に日本で小学校や中学校、高校を卒業した子ども達にしてみれば他の同級生と同じように社会で活躍できないことは不思議でならないと思います。「大人になったらどうして自分は友達と違うのか」と悩むでしょう。
今回はそのような家族滞在ビザの子どもが日本社会で活躍できる方法について話したいと思います。
もちろん日本で大学や専門学校に進学し、卒業後に就労ビザを得る方法があります。また、就労ビザを持つ親と一緒に永住許可を得る方法もあります。しかし近年、永住許可を得るのが難しくなり、親の収入が低かったり、過度な節税をしていたり、納税状況が悪い場合、また子どもが1週28時間を超えて働いていた場合、永住許可を得ることはできません。
以上の他にも以下の条件を満たせば自由に働くことができる<定住者ビザ>または<特定活動ビザ>に変更することができます。
2つのルートがあります。
1つ目は日本の小学校を卒業し、そのまま日本の高校まで卒業、フルタイム勤務ができる就職先が決まった場合です。その場合定住者ビザがもらえます。
2つ目は17歳までに来日し、日本の高校に入学、そのまま卒業し、フルタイム勤務ができる就職先が決まった場合です。親が身元保証人として日本に在留していることが条件ですが、その場合特定活動ビザがもらえます。もしも、17歳までに来日したが日本の高校に入学ではなく、途中から編入した場合、日本語能力試験N2を合格していれば、他は同様の条件で特定活動ビザがもらえます。
なお、以上2つのルートは必ずしも家族滞在ビザでなくても、上記と同様の条件を満たしていれば留学ビザ等から変更することも出来ます。
将来家族一緒に日本で暮らしたい、子どもの将来を日本で叶えさせたいと考えているのであれば、上記を参考に、計画的に子どもを呼び寄せるようにしましょう。親の責任です。