これまで多くのタイレストランの開業をサポートしてきましたが、若いタイの方やタイ本国で最新のトレンドを感じ取っている方は一般的なタイレストランとは雰囲気の異なる独創的なお店を経営される方が多いです。
夢を叶えるためのポイントは大きく分けて2つです。タイ本国から直接日本でタイレストランを開業し、経営者としてのビザを得たい方は今は新型コロナの影響から準備がちょっと大変かもしれません。新型コロナの影響が収まってから進めた方が良いかもしれません。
1.成功するビジネスのイメージを固め、準備する
2.タイ料理屋を経営するためのビザの準備
1のことを詳しく言うには、スペースが足りませんので、ここでは簡単に申し上げます。様々なレストランに足を運び、お客さんの感動するポイントを感じてください。中には日本に来日することなく、タイレストランの開業を望む方がいますが、開業予定の場所に足を運び自分の目で様々な環境を観察してもらいたいと思います(観光ビザで何度も日本に足を運ぶのは大変かもしれません。日本円で3,000万円以上の預貯金のあるタイ人は6カ月(更に6カ月更新可能)の観光目的のビザを取得することができます。このビザを取得し、じっくりとビジネスリサーチをするのも良いかもしれません)。あなたならもっといいアイデアが浮かぶはずです。また、日本の物価の感覚や飲食店の適正な原価率(15%~30%)とそれを達成できるためのお店作り、客層の設定、メニュー作り、価格の設定、仕入れ先の確保はとても重要です。日本でもタイ料理は人気ですが、上手くいかないお店は原価率の設定が上手くいっておらず、利益が全く確保できてないケースが多いです。また、スタッフを雇用するにあたって理解しなければいけない法律や人件費、日本の税制等の各種必要となるコストについても事前に理解しておく必要があります。そして、自分のお店が繁盛する過程を繰り返しイメージして欲しいと思います。いい仲間、日本でのビジネスサポーターを見つけることも大切です。下記にて詳細を申し上げますが一緒に働く仲間を確保しないとビザを取得することができません。また、十分な資金を確保してください。経営者のビザを取得するには、資金がとても重要です。
2についてですが、日本でタイレストランを経営できる就労ビザは<経営・経営>ビザと言います。このビザを取得するにあたって数ある条件の中でも最も大切なポイントは4つです。1.500万円以上の資金を準備 2.お店の場所を確保 3.スタッフの確保 4.飲食店の営業許可を取得することです。なお、東京都内でタイレストランを経営して<経営・管理>ビザをもらう場合、条件次第ではありますが、資本金として500万円を準備して会社を設立する必要はありません。私の考えでは、最初から会社を設立してしまうと、お金に関してデメリットが多く、また<経営・管理>ビザから<永住者>ビザを取る場合にもデメリットがあります。あくまでビジネスの成長に合わせて会社を設立するべきで、最初にいきなり会社を作ることだけは避けましょう。
しかし、物件を借り、内装を整え、給料を支払ったりとビジネスを始めるには多くのお金がかかります。会社を設立する必要はなくても、資金として500万円以上は最初に準備すべきです。物件の規模にもよりますが、東京都内で開業する場合、初期投資として500万円は少なすぎ、最低でも1,000万円は準備すべきです。物件の場所と規模次第では5,000万円はかかります。それらのリサーチも大切です。
初めてお店を始める場合、特にタイレストランの経営から初めて日本での在留を開始したい場合、M&Aという形で既存のタイレストランを買収するのも手でしょう。また、現実としてM&Aの手法を用いた方が全て自分で準備をするよりも初期費用が安いことも多くあります。しかし、そのような形でタイレストランを譲り受ける際、お店を売りたい人、買いたい人の双方の合意だけでタイレストランを譲り受けることは絶対に避けてください。譲渡を受ける際には物件のオーナーである大家さんがあなたを新しい賃借人として認める必要があります。あなたが新しいお店のオーナーとなることについて、大家さんの承諾が得られない営業譲渡は行ってはなりません。また、既存の従業員を引き継げるかどうかも特にタイレストランの経営から初めて日本での在留を開始したい方にとっては重要です。
次に、用意すべきスタッフですが、コックさんとホールの従業員両方を雇用する必要があります。<経営・管理>ビザを取得する際、経営者であるあなたが調理やホール業務を兼任することは許されません。
最後に、これが最も大変なことですが、タイレストランの物件等を決める際、友達の紹介を安易に信用せず、自分の成功するイメージを大切にしてください。お店を成功させるためには、味と場所が大切です。そして、私たちがタイ料理屋に通う理由は、タイ料理が美味しいからだけではありません。タイの文化を感じたいからなのです。タイ料理だけでなく、タイの文化も伝える使命感と遊び心こそがビジネスを成功させます。そして起業をされる際にはぜひ、専門家に相談してくださいね。開業やビザに関することだけでなく、資金調達や国からの助成金についても相談に乗れますよ。
それでは、タイの方々に愛を込めて!