■質問
サワディーカップ。私は日本でコックとして働くタイ人です。私は技能ビザを持っています。タイには妻と子ども2人の合計3人の家族がいて、これから18歳になった長男を日本に呼び寄せ一緒に生活したいと考えています。長男はもうすぐタイの高校を卒業します。男をきちんと呼び寄せられるでしょうか。
■答え
サワディーカップ!
子どもを日本に呼んで、日本がにぎやかになることは良いと思います。
外国人が子どもを呼ぶ方法はいくつかあり、その方法は親の在留資格(ビザ)によって異なります。
今回は日本に住む親のビザが就労ビザ(技能ビザもその一つ)になりますので、子どものビザの種類は<家族滞在>になります。
ご相談への回答として子ども達がビザを取得できる可能性はあります。しかし、その申請準備は大変でしょうし、難易度は非常に高いと思います。少なくとも申請先が東京入管であれば非常に厳しい審査を受けるでしょう。
その理由はどうしてでしょうか。まずは子どもを呼び寄せるための家族滞在ビザの条件を見ましょう。
家族滞在ビザの条件(法律を簡略化して記載しています。)
<就労ビザなどを持って在留する者の扶養を受けて在留する配偶者または子であって、その範囲内で日常的な活動を行うことができる。>
以上となります。
ポイントは「扶養を受けて在留する」というもので、子どもが成人に近づけば近づくほど申請の難易度が高くなります。ご質問の場合、簡単に言うと「18歳で高校を卒業した後は、未成年であっても立派な大人だから親から面倒見てもらう必要ない」という判断を入管がするでしょう。また「日本で働くことが目的でしょう。」という指摘もあるかもしれません。「お父さんは仕事があるのに奥さんを呼ばないで長男だけ呼んで、誰が面倒をみるの?」と言われる可能性も高いですし、「下の子の方をもっと面倒見なければいけないでしょ。奥さんと一緒に下の子を日本に呼んだらどうですか?」という可能性もあります。大きなお世話ではありますが、こうして不許可になるのが現実です。それに対して、あなたが「長男は私がきちんと面倒を見ながら日本の生活に慣れさせたり、日本語の勉強をさせます。」と言ったとします。入管はそれを信じるでしょうか。簡単に信じないでしょう。だから、申請の難易度が高くなります。
では18歳の長男を呼び寄せるにはどうすれば良いでしょうか。
親が面倒を見てあげなければならない状況を証拠を添えて説明することです。例えば長男を日本語学校に入学させ、入学許可証を添えて申請する方法です。学生は親から面倒を見てもらうのが普通ですね。なお、申請内容に嘘があってはいけませんが、長男が日本語能力に関する準備を何もせずに日本での生活を続けていても将来のキャリアは狭いままです。やはり日本でキャリア開拓するためには日本語能力は重要で、そのための学習プランを明確にして証拠と共に申請することで許可率が高まります。なお、日本語学校に入学する場合、入管は<留学>ビザでの申請を勧める可能性がありますが、長男は当然に家族滞在ビザを選択することができますので、入管の勧めにあえて従う必要はありません。
また、直接長男の面倒を見ることになる奥さんも一緒に呼ぶべきです。すると下の子どもも一緒に呼ぶべきとなります。それでも申請の難易度は止みません。
その他、親の経済的な扶養能力も重要です。簡単に言うと給料の多さでタイから呼ぶことのできる家族の人数が決まります。また、コックさんは自分の配偶者や子どもだけでなく、親戚の面倒を見るためにタイへ送金している方が多いでしょう。そのような場合、子どもを呼ぶためには更に多くの給料が必要となります。
前回のワイワイタイランドNo.236では、「家族滞在の子ども達の社会進出に関するビザの問題」として子ども達の日本での将来を考えました。併せてご覧ください。