私の知り合いのタイ人男性が、2年間ほどずっとVISAを持たないまま日本に住んでいます。最近、この男性が日本人の女性と付き合いはじめて、結婚する可能性もあります。もし結婚した場合は、VISAをもらえることができるのでしょうか?
可能性はあります。しかし、あくまでも「可能性がある」というものであって、「必ずVISAが許可される」という意味あいではないことをご理解ください。
よくオーバーステイの方と結婚をする場合に、同じ質問をされるのですが、私はまったく同じ回答をしています。まずご理解頂きたいのですが、オーバーステイというものは立派な犯罪だということです。そしてその状態で結婚をしたからVISAがほしいと言っても、それを許可するのかしないのかは、その滞在している国が自由に決められるのです。
従って「そのような方と結婚をするのは自由ですがVISAは許可しませんよ」という結果がでることも十分に考えられるので、これらを踏まえたうえで入国管理局に出頭をしなくてはなりません。
そして、二人の婚姻の真実性を理解してもらうよう心がけることが重要です。私は結婚してもVISAが許可されないケースもあり得ると記しましたが、それは「結婚の真実性」を理解されない、または立証できない場合などに、そのような判断をされてしまうことが多々あります。
たとえば、通常の夫婦ならば許される「週末婚」なども、婚姻の真実性を疑われる原因になりますのでやめるべきでしょう。このようなことがわかった場合は入国管理局に収容される可能性が高く、そのような事態になってから事の大きさに気づき、相談に来られる方も多いのですが、こういうケースで収容された方を助けることは非常に困難になります。
これらの話を読むと出頭をするのが怖くなるかもしれませんが、オーバーステイの場合、「結婚」がVISAを許可されるケースの大半であることを考えれば、この相談者の友人もいつかは出頭をしなければならないでしょう。
従って、入国管理局に出頭をする際には、二人の婚姻の真実性を理解してもらえるよう心がけるべきで、そのためには有利になると思われる資料を提出するようにしてください。また、その判断がでるまでには3ヶ月ほどで答えが出る場合もあれば、1年以上かかる場合もありますので、スムーズな審査をしてもらうためにも提出資料は重要になります。
オーバーステイで出頭申告をした場合で、不許可となれば収容をされ、結果的には強制的に出国をさせられてしまう「一回かぎりの機会」であるので、手続きに不安を感じるようであれば、入管業務を主に行っている専門家にご相談するのが良いと思います。