私は現在タイに在住している主婦で20歳になる息子がいます。息子は日本に興味を持っており、できれば息子に日本で語学の勉強をさせてあげたいと考えていますが、どのような手続が必要で、またどのような点に注意をすればよいですか?
まず手続の順番を説明すると、最初に入学する学校(日本語学校等)を決めてその学校からの入学許可をもらってから、日本の入国管理局で在留資格認定証明書(VISAの推薦状と思ってください)を取得するための手続をしなくてはなりません。
入学するための条件は各学校の条件により異なりますが、最低限の日本語を習得していることを条件にしている学校がほとんどです。
まったく日本語を理解していない状態では、授業の進行に支障がきたすためだと思われます。各学校の条件をクリアして入学が内定していれば、上記の在留資格認定証明書の申請は学校側で行ってくれるのが通例です。
しかし入学が決定しても在留資格認定証明書が不許可になる場合があります。その理由の多くは経済的安定性を立証できない場合です。日本語を学ぶために来日する人々は勉強をする事が本分ですから、基本的には働いてはいけません。その条件の中で授業料を払い、日本で生活をしなくてはいけないのですから、ある程度の資金があるということを証明しなくてはならないのです。
たとえば、今までタイでは社会人でその費用を自らの貯蓄で賄おうと考えているのであれば、その預金残高証明書などの添付が必要になります。もし、親がその費用を賄うのであれば親の残高証明書などが必要になるでしょう。
では幾らぐらいの資金があれば良いのかというと、明確な答えはなく、それは入管でもはっきりとは明示していません。ただ、常識的に考えて家賃や授業料を除き毎月7~8万円程度の生活費が最低限必要と考えますので、それらの金額を賄えると証明する事が肝要になります。
よく学校に行きながらアルバイトをして生活費の足しにすると考える人がいるようですが、その説明のしかたはあまり得策ではありません。確かに学生VISAでも入管に許可をもらえばアルバイトは可能であり、またその許可も比較的簡単に取得できます。
しかしアルバイトに没頭すれば学業がおろそかになる恐れがあり、またいつ何時職を失うかもわからず、そのようなアルバイトをあてにしているという事は経済的な安定性がないと判断される可能性が高くなるからです。ですから、このようなアルバイトをしなくても学業に専念できる環境(経済力)にあるとアピールしなければならないのです。
先ほど、残高証明書と記しましたが、より可能性を高めるのであれば、本人が働いていた時の納税証明書や就業証明書など、親が資金を負担するのであれば、親の納税証明書や職業証明書を添付するとより良いと考えます。
何故ならば、残高証明書だけではその者に資金力がなくても、誰かから一次的にお金を借りて銀行に預けてしまえば体面上は条件を整える事ができてしまうからです。ですから、資金があるというだけでなく、その資金をどのようにして稼いだのかという資金の形成過程をも立証してあげれば、よりVISAの取得が近づくと考えます。
なお、時おり大学に留学している留学生が本国の配偶者を家族滞在VISAで呼び寄せたいという方がいますが、これも基本的には上記と同様の立証をしたほうが賢明でしょう。そして、最初に説明した場合と違い、その場合は2人が日本で生活をしなくてはいけないのですから、より高い経済力を求められる事を付け加えておきます。