私は5年前にタイ人の彼と出会い1年ほど、私の子どもたちと一緒に暮らしていましたが、彼が不法入国だったために警察に捕まり、退去強制になってしまいました。裁判で私も証人として出廷し、4年の執行猶予がついて来年の6月11日で終わります。
彼が帰国する時に一緒にタイへ行きその時に簡単ですが結婚式(彼の家族の最長老が指輪をはめる)をしました。多くの親戚にもお披露目をして、毎日お互いに電話で連絡をとりあっています。二人の希望としては日本で暮らしたいと思っています。
来年彼は日本へ入国できるのでしょうか? できるのならすぐに入籍したいと思っていますので教えてください。
最初に答えを言いますと、その男性があなたの配偶者としてVISAを取得できる可能性は充分にあります。ただしあなたと婚姻している事が前提で、入国管理局に提出する時期も出国してから5年が経過している時期が無難です。申請するときに注意する点としては退去強制された事実をかくさないことと、退去強制後のあなたたちの交流を詳しく証明する事です。
よくこのような事実を隠したがる人がいますが、退去強制後5年が経過をしていれば入国拒否事由には該当しません(退去強制歴が1回の方のみ)。それなのにそのような事実があったということを申告しなければ、申告者側に悪意がなかったとしても入国管理局からすると「意図的に事実を伝えなかった」と判断され、審査に不利益が生じる可能性があります。
配偶者案件のVISAは慎重に審査をするので、この男性の日本における履歴を調査され
ます。退去強制の事実は調査の段階で判明するでしょうから、申告時に事実を告げるようにしましょう。そのうえであなたたちの交際や婚姻が真正なものである事を証明すれば、良い結果が得られると思います。
あなたのケースとは違うのですが、過去に日本から退去強制を受けた後、2回他人のパスポートで入国した女性がいます。そして3回目の入国後に日本人男性の恋人ができたので、結婚をしてVISAがほしいという相談を受けました。
この女性は今までの不法入国の事実を隠すことを希望し、今回の婚姻も日本に来た事のない自分の姉妹に成りすまして結婚したいという希望を持っていました。よほど自分の過去に負い目を感じているのでしょうが、このような嘘は必ずほころびが出てばれるものです。人間は誰しも過ちを犯すもので、その過ちを反省して同じことを繰り返さない姿勢が大事です。このことは入国管理局に対する申請にも同じことがいえます。
結局この女性はこのことを理解できず、最後まで別人に成りすます事を希望していました。このような子どもじみた手法などはすぐにばれますし、何よりも自身の行動をまったく反省していないと感じたので、私はこの仕事を断りました。あなたたちは相談内容から入国管理局の処分(5年間の退去強制)を受け入れ、そして真摯な恋愛をしていたと感じますので正々堂々と申請を行って下さい。