【相談】タイ人に貸したお金が返ってこない場合について
私は、友人にお金を貸しましたが、返済期日を過ぎても返してもらえません。
何度か催促しましたが「ちゃんと返すからもう少し待って」の一点張りで全く返済する意思が見られません。
このようなときに、私はどのようなことをすればよいのでしょうか？ 私の家も決して裕福ではなく非常に困っています。
お金の貸し借りでよく見られるケースですね。
今回の様に相手が自発的に返してくれない場合は強制的に取り立てる方法を検討しないといけません。
強制的といっても暴力をふるったり、脅かしたりするとあなたが訴えられる可能性もありますから
法の力を使った方法をお教えします。
差押と言う言葉は皆さんご存知だと思いますが、どのようなときに差押ができるかというと債務名義を手にして
初めて差押が可能になります。債務名義とは、「裁判所の判決」や「公正証書」などがこれに当たります。
つまり、誰が誰にいくら貸しているということのお墨付きを国からもらわなくてはならないのです。
どのような方法をとるかは債務者の態度や出方でかわります。
債務者が話し合いに応じるようであれば公正証書が良いでしょう。
この場合は、１度でも支払が遅れたら強制的にとり立てても構いませんという内容の契約書を作成し
公証役場に行き公証人に認証してもらうのです。この様に、公証人に認証してもらった契約書を「公正証書」といい
裁判の判決と同じ効力を持ち１回でも遅れたらすぐに差し押さえができるので相手も必死になって返済することが
期待できます。
次に、相手が公正証書の作成に協力してくれない場合を説明します。
この場合は、「支払督促」を利用しましょう。債務者の住所地を管轄する簡易裁判所に行き
支払督促の申立てをするのです。これは、所定の用紙に記入するだけですから誰でも出来ます。
申立て後は、裁判所から債務者に「あなたに対しこの様な申立てがされていますが反論がある場合は
２週間以内に異議申し立てをして下さい」という内容の文章が送付されます。相手が異議申し立てをしない場合、
仮執行宣言の申立てを行いこれについても相手が異議申し立てをしなければ強制執行（差押）をすることができます。
ただし、この一連の中で相手が異議申し立てをすると通常の訴訟に移行するので争いがあるようなケースには
向いていません。更に、契約書（メモ用紙に書いた程度のものも含む）も無く、また相手が非協力的な場合は
裁判で勝訴しないといけませんが、お金を貸したことを立証しなくてはいけないのは貸しているほうですから、
どんな書き方や紙でもいいですから証拠を残すようにしましょう。
また、上記のいずれかの方法で債務名義を取り強制執行をしようとしても
取り立てる（差押える）ものが無いとどうにもならないので、事前に相手にどのような財産があるのかとか
どのような仕事をしているのか等を調べる必要があります。
相手に、財産がない場合はたいていは給料を差押える位しか方法が無く、また相手にも生活があるので
一定額以上は差押えることが出来ません。ですから、全額を回収するまでには長期間を要することが多くなります。
私の経験上、お金は返ってこなくてもしょうがないと思える金額以上は貸さないのが一番だと思いますが、
大きな金額を貸す場合には事前に専門家に相談して少しでも貸す側のリスクを少なくする様にしましょう。
