養子縁組に関しては、当事務所にも多くの相談が寄せられます。
養子縁組には以下の3つのケースがあるように思います。
1. 日本人と結婚したタイ人女性が、前夫との間の子を現在の夫の子として育てたい
2. 日本に住むタイ人が日本人と養子縁組を望んでいる
3. 全く他人の子で日本に住んでいない子を養子にしたい
1の場合
いわゆる連れ子養子で、タイ人母親と夫と養子縁組する場合が最も多く、子供の国籍 出生証明 現住所の証明 子供の実父の承諾 子供の承諾 母親と子供の実父との離婚等の関係を証明する文書 これらの書類をタイ国より取り寄せ、日本側の書類とともに区役所や市役所等、戸籍担当者に提出すれば成立します。書類の提出受理されたときより効力が発生します。
養子のメリットは、未成年の場合、扶養の権利が発生する、定住者としてのビザが申請しやすくなるということがありますが、20歳以上の養子には、相続権の発生以外、何のメリットもありません。デメリットとしては、将来、養父の扶養義務が発生することです。
2の場合
日本に住むタイ人が、日本で親しくなった日本人と養子縁組をするケース。これは日本国民法上は問題ありません。しかし、何のための養子縁組なのかを考える必要があります。養子縁組により、法的には親子関係が成立し、相続権が発生したり、また扶養の義務も発生することになり、難しい問題を作ることになります。
現実にはタイ人がビザ取得のためにブローカーの口車にのり、日本人の老人と養子縁組するケースが多いと思われます。しかし、養子縁組したからといって、そのことを理由にビザの変更はできません。在留特別許可申請のために養子縁組をしたり、学生が日本で就職できなかったので、養子になってビザの変更または取得をしたいという相談がありますが、全て理由を知らせてお断りしております。くれぐれもブローカーのいうことは信用しないで頂きたいと思います。
3の場合
全く他人の子で日本に住んでいない子を養子にしたいというケース。これは非常に特殊なケースで、当事務所でも取り扱ったことはありません。どのケースの場合でも、タイの法律が関わって来ますが、この場合は、タイでの手続きの比重の方が大きく、とても難しくなります。