第10回 読者からの質問
Q
タイから日本にお手伝いさんを連れてきたいのですが、ビザの手続きはどうすればいいでしょうか?
A
タイ人のお手伝いさんの招聘は、一般的には認められていません。ただ例外的に言えば、タイの大企業の日本支店に家族と共に赴任した時、子供さんが13歳以下とか奥さんが病弱で家事が出来ないような場合にはタイ人のお手伝いさんを招聘できると思います。
Q
遺言状を作りたいのですが、どうすれば作れますか?
A
遺言状は一般的に3種類認められています。自筆証書遺言、構成証書遺言、秘密証書遺言です。この中で遺言状全てを遺言者が手書で遺言内容、日付、氏名および押印したものを自筆証書遺言と言い、本人と立会人2人が公証人役場に出向き、関係資料を持参の上、公証人に作成してもらう方式が交渉証書遺言といいます。遺言の効力は全く同じですが、自筆証書は法的な間違いが心配ですし、公正証書遺言は秘密保持が問題になります。秘密証書遺言はあまり使われません。
要は相続財産を正しく把握し、誰に何を相続させるかを決め、遺言状が間違いなく執行されるように相続手続きに詳しい信頼できる人を遺言執行者に指名することが大事です。
Q
前夫との間の子供がタイに住んでいますが、もし今の夫が亡くなった場合、子供に財産を渡せますか?
A
今の夫とその子が養子縁組していなければ権利はありません。
Q
日本の今の夫が死亡した場合、財産は妻のものになりますか? またその妻が戸籍主になったら、永住ビザを取れますか?
A
大変難しい質問ですが、必ずしも奥さんが財産を取得できるとは限りません。法律は1番目に遺言状を、2番目に相続人全員の話し合いを、3番目に法定相続分を基準に仲良く分けなさいと言っております。従って遺言者が奥さんに財産をあげない遺言も可能です。但し、遺留分減殺請求権はありますが。
また、遺言状がない場合であっても、法定相続分どおりで分割協議を成立させることは私の経験上難しいと思います。なぜならあなたが外国人で日本人親族との感情問題もあり、また、ビザの問題もあり、長期の裁判には耐えられないからです。
他の相続人に対しあなたが妥協し、早く処理現金をもらうことが得策だと考えます。なお、夫の借金も相続財産ですから、早く検討し相続放棄するかどうか考えてください。
また、夫が死亡し、あなたが世帯主になったとしても永住のビザはもらえません。それよりも一日も早く他のピザに変更申請し、許可をもたわないと不法滞在になります。
Q
夫と離婚した場合、奥さんはビザを延長できますか?
A
離婚により、日本人配偶者などのビザは根拠を失い延長できません。そのためにビザの変更を考えますが、あなたの在留実績や離婚理由、また日本での定住性などを検討し、定住者のビザに変更できるかどうか判断し、変更申請を出すべきです。また定住者のビザが無理なら他の就労ビザか学生ビザや新しい結婚ビザを検討してください。