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【情報】三輪車に乗ろう!

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アユタヤーやスコータイの遺跡を走るトゥクトゥクは昔懐かしいミゼット型

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きわめて一般的なトゥクトゥクの姿。ルックスは愛らしいが運転手はいかめしい

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トゥクトゥクと人力サムローの遭遇。田舎ではいまも共存している

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ラッタナーコシン220年祭の期間中だけバンコクに復活した人力サムロー

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原寸大のおもちゃのような人力サムロー。1台買って帰りたい。

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地方都市ではいまも市民の足として活躍している。
バンコクの街で目立つのがトゥクトゥクだ。派手な配色、吹き出す白煙、それに3つしかないタイヤ。車のようでバイクのような、とにかく不思議な乗り物である。

いまは見かけることがないので目に付きやすいが、この手の三輪車はかつて日本でも走っていた。ダイハツが生産していたミゼットがそれで、小さく小回りが利くので商店の配達仕事などに重宝されていた。そのせいもあってか10年ほど前のトゥクトゥクの後部には「DAIHATSU」の文字が自慢気に打ち出されていた。いまでは「THAILAND」に置き換えられているが、ルーツは日本のミゼットにあるようだ。

トゥクトゥクという名前はエンジンの音から名付けられているが、本来この車はサムローと呼ばれている。サムロー、すなわち「三輪」という意味だ。タクシーのことをシーロー(四輪)と呼ぶタイ人もいるが、これもサムローがあってこその呼称である。

それにしても、タイ人はなぜ三輪にこだわるのだろう。新型のトゥクトゥクが何度か発表されているが、デザインはモダンになっているものの、どれも三輪だ。カンボジア国境の町アランヤプラテートには自動車のエンジンを積んだサムローが走っているが、馬車並みに大きくて小回りもほとんど利かない。それでもなぜか三輪のスタイルを死守している。そこまでして三輪にこだわる必要があるのかと不思議に思ってしまうほどだ。

しかし、そういう私も実は三輪車のファンである。トゥクトゥクの歴史は新しいがサムローは古く、エンジンが載せられる以前は人の足でこいでいた。日本語で言うところの輪タクである。音もなく静かに、そして優雅に走る人力サムローはタイののどかさの象徴にもなっていて、乗るだけでなんとなく豊かな気持ちになったものだ。

現在、人力サムローはバンコク市内での走行が禁止されている。チェンマイやチェンラーイのような地方都市でも、その数は減少する一方だ。ひょっとしたら、あと数年もしないうちに乗れなくなってしまうかもしれないから、気づいたらとにかく乗っておくことをおすすめします。料金は高くても40バーツほどで、ぼられる心配もないでしょう。それより高くなるような距離だったらきっと「トゥクトゥクに乗りなさい」って言われますからね(そんなこと言ってるから絶滅の危機に瀕するのさ!)。