タイ人の彼女とお付き合いをしている日本人会社員です。彼女は前夫との離婚がまだ成立していません。しかし生活のこともあり、すでに私と一緒に暮らしています。このたび彼女が妊娠しました。もちろん私の子どもです。妊娠に関わらず、お互いに結婚するつもりでいましたので、一日もはやく離婚が成立しないかと思っています。もし離婚前に子どもが生まれた場合はどうすればいいのでしょうか。彼女の前夫も日本人です。
御質問内容を拝見させていただきました。
先ず、タイ人の彼女が既婚者であるということで法律関係が複雑になってしまうところがありますが解決することが出来ますのでご安心ください。
既婚者であるタイ人の彼女が妊娠されたということで、子を授かること自体は非常に喜ばしいことではありますが、法律上既婚者であるということで、生まれてくる御子様の法律関係については少々複雑になってしまいます。
彼女と日本人の御主人との離婚が成立していないことによって、生まれてくる御子様は法律上、日本人の御主人と彼女との子供となってしまいます。これは日本の法律で定められていることであり、法律上婚姻関係にある男女の間に出来た子供を嫡出子といいます。なお、婚姻成立の日から200日後や婚姻を解消した日から300日以内に生まれた子供についても婚姻中に懐胎したものと推定され、さらに妻が婚姻中に懐胎した子供は夫の子供、つまりその夫婦の嫡出子と推定されます。
こういった法律上の決まりがありますので、御子様が生まれた後、御子様は御客様の戸籍に入籍することが出来ません。つまり、法律上・戸籍上は御客様の子供にはならず、前夫(日本人の御主人)の子供となってしまうのです。
しかし、安心してください。御子様につきまして、出生した後に次のような手続を実施することによって、法律上・戸籍上も御客様の子供とすることが出来ます。
(1)嫡出否認の訴え
申立てをすることが出来るのは、夫・夫の成年後見人、成年後見監督人・その子供のために相続権を害される者その他夫の三親等内の血族になります。
(2)親子関係不存在確認の訴え
申立てをすることが出来るのは、子供・父・母•親子関係について直接身分上利害関係を有する第三者になります。
いずれの手続も家庭裁判所で申立を行うことが出来ます。上記のいずれかの手続をとることによって、御子様が生まれた後に、御子様について法律上も御客様の実子となることが出来ますので、先ずは御子様が生まれる前に、裁判手続の専門家である弁護士へ相談しきちんと手続をされることを推奨いたします。
また、タイ人の彼女が既婚者であるということで日本人の御主人から不貞行為の責任を追及される可能性やトラブルとなる可能性もありますので、この点につきましても弁護士へ相談してください。