【相談】倒産による失業
私は日本企業の広告代理店で働いているタイ人です。現在、会社の経営状況が良くなく、このままでは倒産してしまうかもしれません。もし倒産した場合、タイ人の場合は失業保険などはどうなるのでしょうか。それと会社から出してもらっている就労VISAはどうなるのでしょうか。もし転職する場合はどうすればいいでしょうか。教えてください。
まず雇用保険の給付についてですが失業理由が会社の倒産、解雇によるものであれば雇用保険の加入期間が1年未満であっても90日分が支給され、その支払い開始日は需給資格が認定されてから8日後からとなります。
支給日数等は雇用保険に加入していた期間や失業時の年齢にもよりますが、外国人であっても雇用保険は給付されますので、万一失業した場合はハローワークに行く事を助言してあげて下さい。
次に、現在許可されているVISAの件ですが、「永住者」など働く事に制限のないVISAを許可されている方は特に問題ありません。しかし、「技能」や「人文知識･国際業務」などのいわゆる就労VISAを許可されている方は注意が必要です。
現在の入管法では正当な理由がなく、現在許可されているVISAの活動を3ヶ月以上行っていない場合はそのVISAを取り消す事ができるとなっています。つまり、失業後半年が経過してから再就職先が決まり、その後在留資格の更新申請をした場合に与えられたVISAの活動を3ヶ月以上していなかったと判断されればその更新が不許可になることも考えられるのです。
ただし、上記のように失業理由が会社の倒産によるものであれば上記の「特別な理由」に該当するとも考えられるので、その際には失業した理由(会社が倒産)を明確に記し、次の就職が決まるまでの間はしかるべき就職活動をしていた事を説明する事が肝要になるかと思います。
また、最後に再就職についての留意点となりますが、現在許可されている在留資格に適合する職種に就職をする事です。たとえば、現在許可されているVISAが「技能」であったとします。「技能」の代表的な職種はコンピューター関連業務(プログラマー等)ですが、このような場合は次の職種も同様の職種にする事が重要になると思います。
外国の方は日本人以上に就職探しが大変かと思いますが、就職を急ぐあまりその方が許可されていたVISAと関連のない職業に就職をしてもVISAの更新は不許可になる可能性が高いので以上の点をアドバイスしてあげるようにしてください。
尚、2点目に記したVISAの更新同様「永住者」「定住者」「日本人の配偶者」などの場合は転職にあたって特に注意する点はないことを付け加えさせていただきます。
