私は、7年前からタイレストランを経営していてお蔭様でお店も繁盛しています。
ところが、先日私のお店と同じ名前のタイ料理レストランから、お店の名前を変えるか
名前を変えないならその名前の使用料を払ってほしいと言われました。
私は、今のお店の名前が気に入っているしお客さんも覚えていてくれているので、名前を変えたくないし、
お金を払うのも嫌です。そもそも、なぜそんなことを言われるのかわからないのでその理由とどうしたらよいか教えて下さい。
本当に困っています。
お店の名前というのは、子供の名前と一緒で付けた方それぞれに思い入れがあるでしょうから、
文句を言われたほうも「うちはまねをしたつもりはないし、そんなに嫌ならおたくが名前をかえれば。
いったい何の権利があってそんな事いうの。」なんて思うことでしょう。
確かに、お店にどんな名前をつけるかはその人の自由ですが、もしその相手がその店の名前を登録していれば
あなたは相手の言うとおりお金を払って使わせてもらうか、名前を変えなくてはいけなくなると思います。
また、何故そんなことを言われるのかというと恐らく相手は商標登録をしているからだと思います。
ではこれから商標登録について説明します。
例えばあなたが使いたいと思った言葉や、ロゴなどを特許庁に申請して登録が認められると、
その登録されたものはあなた以外の人は勝手に使えなくなってしまいます。それが商標登録なのです。
言葉以外にも、図形などありますが、ここでは言語に絞ってお話します。
例えば、「ワイワイタイランド」というタイレストランが飲食店の分野で登録すると同じ名前を使っている飲食店に
その名前を使うのを辞めるよう請求ができ、また言われた方はそれに従わなくてはいけないのです。
もし従わなければ、最終的には裁判になるでしょうが、商標登録をしておけばまず負けることはないでしょう。
ただし、同じ名前を使っているマッサージ店には何も言えません。
なぜならば「ワイワイタイランド」は飲食店で登録しているからです。
もし、今後同じ名前でマッサージ店をやることも考えているなら、
「飲食店」と「美容・マッサージ」の分野で登録すればよいかと思います。
ただし、登録する分野の数に応じて登録料が高くなるのでよく検討してからにしましょう。
また、どんな言葉でも登録できるわけではないので使える言葉なのか、
まだ登録されていないのかを良く調べてからにしましょう。ちなみに、この登録は早い者勝ちです。
つまり、相談のようにあなたが先にお店をやっていても後から始めた人が先に登録してしまえば
その人の権利になってしまいますが、もしその人が登録をしておらず何の権利もないのに
そのようなことを言っているのであれば、あなたが、先に登録してしまえば同じことが相手に言えるようになります。
また、1回の登録の権利は10年間で更新もでき範囲は日本全国です。
極端な言い方をすると東京でお店を経営していても北海道のお店にも権利を主張することができます。
実際に、この制度が利用されているのかというと皆さんは気づいていないだけで1年間でかなりの数が登録されています。
今後大々的に売り出したい商品や、チェーン展開を考えているお店などは具体的に動き出す前に
名前を調べた方が良いかもしれません。全てが、出来上がってからすでに登録されていることを知ってしまった場合、
店の看板、公告を代える費用だけでもばかになりません。
更に、今まで培ってきた知名度も手放すことになるかもしれませんので、事業を営んでいる方は
商標登録という制度があることを理解しておいて損はないと思います。