私は1年半日本人の妻として生活していましたが、先月離婚しました。
知合いに聞いたら、日本で会社を起こせば就労VISAがもらえると聞きました。
どうすればこのVISAはもらえるのでしょうか?また、手続は自分でできるでしょうか?
ちなみに、私の今のVISAはあと5ヶ月です。
まず、あなたがどのような会社をやりたいのか、またあなたの現在の資金力及び経歴がはっきりとしないので
一般的な答えをします。
あなたのおっしゃるVISAは「投資経営」というものです。
要件としては、まず会社を設立して
①500万円以上の投資をしていること
②日本人、日本人の配偶者、永住者のいずれかの2人を従業員として雇っていること (必ずではない)
③その事業が適正かつ安定性及び継続性があること
等が、あげられます。
そして、これを立証する多数の書類が求められ③を証明できればVISAがもらえると思います。
次に、自分でできるかということですが正直に申し上げるとかなり難しいと思います。
なぜ、難しいのかを言う前に良くある話をさせていただきます。
私に相談にいらっしゃる方でVISAの変更、更新が不許可とされたあと出国準備の段階で駆け込んでくる人がいますが、
たいていの方は自分でやったり料金が安いという理由で国家資格者でない者に頼んだというケースが多く見られます。
この段階だと、残りの日数もなくまた一度下した入管の判断を覆すのは一筋縄にはいかないので非常に厳しくなります。
また、ひどい方ですと入管に虚偽の書類を提出している方もいます。
このような状態で来られてもお断りするしかない場合もありますので、
もっと早く来てくれればと思うことが本当に良くあるのです。
さて、話を戻しますが会社を作るのには一般の日本人でも専門家に頼むのがほとんどです。
あなたが自分で会社を作るとなると日本語検定1級程度の方だとしても早くて2~3ヶ月程度はかかると思います。
そして、VISAの変更は時期にもよりますがこちらも提出書類の収集から作成までを考えると
3~4ヶ月はかかることが予想されます。
ということは、5ヶ月しかVISAが残っていないあなたは失敗が許されないことになるのです。
もし、間に合ったとしても入管を納得させられる提出書類でなければ当然不許可になります。
ですから今回のケースは費用はかかりますが専門家に頼んだほうが賢明だと思います。
もちろん、専門家に頼んでもダメな事はありますが、相談にきた段階でどのくらいの可能性があるか
大体の見当はつきますので、無理矢理申請することは無いはずです。その場合は相談料程度ですむでしょう。
それでも依頼者からの強い希望があればそのリスクを説明してから始めるか違う方法でVISAがもらえないか
検討することになります。
国家資格者でない者は、目先のお金に走りますから専門家より安い金額で
明らかにVISAがもらえないような仕事を受ける傾向があります。その結果、不許可となり専門家に駆け込み
最終的には最初から専門家に頼むよりも高い金額になってしまうことが多いのです。
お金以前の問題で国家資格者および法務大臣に認められた一部の者以外がお金を受け取り
入管業務を行うこと自体法律違反です・・・。
以上のような理由から、「会社を作る前にまず専門家に相談してみて下さい。」というのが私の考えです。
会社を作れば、どんな仕事でもVISAがもらえるというわけではありませんので・・・。
最後に、読者の方に向けてお願いがあります。
VISAをもらう為には入管を納得させることが必要でそれには証拠となる書類が必要になります。
いくら口で説明しても証拠がなければ入管は許可をなかなか出さないのが現実です。
私たち入管業務を生業としている専門家は、1人でも多くの外国の皆さんが正当にVISAを取得ができるよう
お手伝いしたいと思っています。
そのためには、外国の皆様も「VISAが切れる少し前に行けばいいや」などとのんびりせず、
余裕を持って1日でも早くお近くの専門家に相談するよう心がけて下さい。
そうすれば、足りない書類や証拠の入手についていくらでも手が打てスムーズに許可が得られる可能性が必然的に高くなり、
結果的に余計な費用を押さえることができるようにもなるからです。
また、仮に不許可となったとしてもその理由を解明すれば、再申請も出来るのです。
しかし、それも時間的余裕があってこそ可能なことだということを是非ともご理解していただきたいと思います。