Q.わたしは東京に住んでいる日本人男性です。現在、タイ人の女性と同棲していて、彼女は妊娠しています。いずれは彼女と結婚するつもりですが、今は事情があって結婚できません。もうすぐ子供が生まれるので、まずは子供を認知していずれ入籍しようと思っています。子供を認知するに当たり、どのような書類が必要でどのような手続きをする必要があるのか教えてください。よろしくお願いいたします。
A.認知には、出産前にする胎児認知と出産後にする通常認知があります。今回のご質問の場合、いずれ入籍するとのことなので胎児認知について説明いたします。まず、必要な書類ですが、日本人のあなたは戸籍謄本1通と市区町村役場に用意してある認知届書
(「この届出に同意する」旨のタイ人女性の署名が必要)を用意してください。タイ人女性は独身証明書を用意しなければなりませんが本人がタイ国に行かない以上、親族等の代理人に本国の郡役場で手続をしてもらいます。この際、委任状の提出を求められることがあるのであらかじめ 在日タイ国大使館や領事館で本国の親族等に独身証明書発給の手続をしてもらうための委任状を作成してもらって下さい。この時、大使館等に持っていくものはパスポート、IDカード、住居登録証(コピー可)で費用は1通2000円です。10日から2週間程度で委任状が出来上がるのでそれを本国の代理人に送付してください。
そして、後日タイ本国より送られてきたこの証明書に日本語訳をつけます(翻訳した人の署名が必要)。あとは、上記書類にタイ人女性のパスポート、外国人登録証明書を用意して外国人登録をしている市区町村役場の戸籍課で手続をすれば、書類に不備がなければ完了です。(市区町村によって多少違うことがあるかもしれませんので事前にご確認下さい)
真正なパスポートがない場合は(不法上陸)、大使館にはIDカード、住居登録証を持っていき、独身証明書と住居登録証の取得に関する委任状を作成してください。市区町村役場には、パスポートの代わりに住居登録証(コピー不可)を提示して下さい。他に用意するものは前述したとおりです。
なぜ、胎児認知の説明をしたかというと、胎児認知をすると生まれながらに子供は日本国籍を取得できるからです。生まれた後だと、出生時に子供は母親の国籍になり、いずれ帰化するときの手続も大変ですし、それまで在留資格の更新も行わなければならないなど色々と面倒になります。また、万が一その女性がオーバーステイ状況であれば在留特別許可がもらえる可能性が出てきます。さらに、生まれてくるお子さんとタイ人女性のことを更に考えると出生届を出した後、在日タイ国大使館でお子さんのタイ国国籍の取得手続をすることをお勧めします。これにより、22歳になるまで2重国籍となり、タイのおじいちゃんおばあちゃんに会いに行く等の長期の旅行でも日数などを気にせずにすむようになります。そして、22歳をむかえるときにお子さん自身でどちらの国籍にするか決めればよいのではと思います。
最後になりますが、出産まで間もないのであれば早めに手続を済ませることをお勧めします。