■質問
東京で専門学校に通っているタイ人です。来年学校を卒業しますが、自分のタイレストランを持ちたいという夢を持っています。この夢をかなえるにはどうすればいいのでしょうか。
■答え
サワディーピーマイカップ!明けましておめでとうございます。長岡です。
これまで学校卒業後にタイレストランを開業された方をサポートしてきましたが、在学中にタイレストランでのアルバイト経験がある方が多いですね。若い方が多いので、一般的なタイレストランとは雰囲気の異なる独創的なお店を経営される方が多いです。
夢を叶えるためのポイントは大きく分けて2つです。
1.卒業までの時間の過ごし方と成功するビジネスの準備
2.タイ料理屋を経営するためのビザの準備
1のことを詳しく言うには、スペースが足りませんので、ここでは簡単に申し上げます。卒業までの期間、様々なレストランに足を運び、お客さんの感動するポイントを感じてください。あなたならもっといいアイデアが浮かぶはずです。そのために、よく学び、自分のお店が繁盛する過程を繰り返しイメージしてください。いい仲間を見つけることも大切です。なぜなら、一緒に働く仲間を確保しないとビザの変更もできません。そして、必死にお金をためてください。経営者のビザを取得するには、資金がとても重要です。しかし、学生時代に週28時間を超えて働くのはダメですよ。もしも入管にそのことが分かればビザの変更は出来なくなります。よって、卒業後にタイレストランを開業される方は親から資金援助のある方がほとんどです。家族の理解や協力を得ることが大切ですね。
2についてですが、もしあなたの現在のビザが<留学>であれば起業後は<経営・経営>ビザに変更しなければなりません。数ある条件の中でも最も大切なポイントは3つです。1.500万円以上の資金を準備 2.お店の場所を確保 3.スタッフの確保 をすることです。なお、東京都内でタイレストランを経営して<経営・管理>ビザをもらう場合、条件次第ではありますが、資本金として500万円を準備して会社を設立する必要はありません。私の考えでは、最初から会社を設立してしまうと、お金に関してデメリットが多く、また<経営・管理>ビザから<永住者>ビザを取る場合にもデメリットがあります。あくまでビジネスの成長に合わせて会社を設立するべきで、最初にいきなり会社を作ることだけは避けましょう。
しかし、物件を借り、内装を整え、給料を支払ったりとビジネスを始めるには多くのお金がかかります。会社を設立する必要はなくても、資金として500万円以上は最初に準備すべきです。
また、営業譲渡によりタイレストランを譲り受ける際、お店を売りたい人、買いたい人の双方の合意だけでタイレストランを譲り受けることは絶対に避けてください。譲渡を受ける際には物件のオーナーである大家さんがあなたを新しい賃借人として認める必要があります。あなたが新しいお店のオーナーとなることについて、大家さんの承諾が得られない営業譲渡は行ってはなりません。
次に、用意すべきスタッフですが、コックさんとホールの従業員両方を雇用する必要があります。<経営・管理>ビザを取得する際、経営者であるあなたが調理やホール業務を兼任することは許されません。
最後に、これが最も大変なことですが、タイレストランの物件等を決める際、友達の紹介を安易に信用せず、自分の成功するイメージを大切にしてください。お店を成功させるためには、味と場所が大切です。そして、私たちがタイ料理屋に通う理由は、タイ料理が美味しいからだけではありません。タイの文化を感じたいからなのです。タイ料理だけでなく、タイの文化も伝える使命感と遊び心こそがビジネスを成功させます。そして起業をされる際にはぜひ、専門家に相談してくださいね。開業やビザに関することだけでなく、資金調達や国からの助成金についても相談に乗れますよ。
それでは、タイの方々に愛を込めて!